NSGグループは過去10年間にわたり、省電力照明器具への更新、廃熱の有効利用、革新的な製造装置の導入などを通じて、エネルギー効率の向上に取り組んできました。ゲルゼンキルヒェン工場（ドイツ）のLED照明システムへの更新プロジェクト後、省電力照明システムの大きな利点と、それによってもたらされたエネルギーコストの削減効果を目の当たりにしました。これらの取り組みを足掛かりに、自社のエネルギー消費削減のみならず、さらなるエネルギー供給の持続可能性を実現させるため、再生可能エネルギーの導入などの分野にもプロジェクトを発展させています。

NSGグループは、世界第4位の再生可能エネルギー事業者であるEDP Renewables（EDPR）と仮想電力購入契約（PPA）を結び、ポーランドにあるEDPRの風力発電所から約100GWhの再生可能エネルギー電力の購入を実現しました。契約は10年間にわたり、これにより現在市場で見られる不安定な電力卸売価格の影響を軽減しながら、二酸化炭素排出量を削減することができます。

NSGグループの購買部統括部長であるJohn Wilgarは、「ポーランドにおける当社の電力需要の大部分について、パートナーであるEDPR社と当グループ初の仮想PPAを締結できたことを嬉しく思っています。 これにより、炭素集約度の高い市場において、長期的に予測可能なコストで再生可能エネルギー電力を確保することができます。 これは、気候変動への取り組みを支える、当社のサステナビリティ目標に向けた大きな一歩です」と、この取り組みについて期待を込めました。

NSGグループは、再生可能エネルギーのプロジェクトに加え、一次生産工程で通常使用される化石燃料に代わる、より低炭素な燃料の使用についても研究を行っています。NSGグループは、英国北西部の「Hynet産業燃料転換」プロジェクトの一環として、英国セントヘレンズのグリーンゲート事業所にあるガラス製造窯で水素エネルギーを使った世界で初めてのガラス製造の大規模実証燃焼試験に成功しました。これは、ガラス製造のようなエネルギー多消費型産業における脱炭素化の可能性を示しています。水素のほかにも多くの代替燃料が試用されており、燃料を補うための電気溶融の利用も試みられています。NSGグループは、製造プロセスからの排出削減や省エネルギーに貢献する製品の普及のために、これまでも様々な再生可能エネルギー・プロジェクトの導入に成功しています。このエキサイティングなプロジェクトは、現在も進行中です。

石油などの従来のエネルギーは有限であり、地球温暖化も進んでいることから、それらに代わる新たなエネルギーの利用が不可欠であるとの認識が広がっています。太陽電池は、家庭用の小規模なものから大規模な発電所まで、また北部の曇った屋根から日差しの強い砂漠まで、さまざまなエネルギー需要に対応できる代替ソリューションです。ガラスは、これらの太陽光発電パネルに不可欠で重要な部材です。薄膜系太陽電池、結晶系太陽電池、集光型太陽電池と、太陽エネルギーを電気に変換するための3つの主要な技術に、私たちの幅広い高品質な製品が使用されています。また発電だけでなく、温水器のようなアプリケーションにも使用されています。